テキストサイズ

飴と鞭と甘いワナ

第5章 scene Ⅴ



A side

ニノから横柄なLINEが来たのが10日前。

ちょい前に体調不良のニノん家へ看病に…って云うか、押し掛けた俺。

甲斐甲斐しく看病に徹する筈が…。
何の因果か、不可抗力…てか、どさくさに紛れてメチャメチャキスしちゃってさ、うん。

そっから微妙に連絡取りづらくて。

そんな矢先にニノからLINE。

尻ポッケでブルったスマホに渡りに舟と云わんばかりのメッセージ。

『来週の金曜 付き合え』
かなり上から目線のソレに苦笑しか出なくて。

あの日の謝辞もなければ雑言もない。
一切合切触れないのがニノらしい。

メッセと云えど此れだけ強気なら治ったンだなって安心して。

『りょーかい』

お気にのキャラが敬礼してるスタンプを張り付ける。

直ぐに既読が付く。

同じ様にスマホ見てたのかと妙に嬉しい。

恋する乙女的思考の自分がまた変に可笑しくて。

とにかく来週の金曜は休み もぎ取らなきゃ。

でも…付き合えって?
買い物?………何?

ジーッとニノからの文字を睨んでも皆目見当もつかず。

其れから何のもアクションない。

妙な胸騒ぎと変な期待に俺はグルグルしていた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ