飴と鞭と甘いワナ
第5章 scene Ⅴ
"ちょっと付き合え"
高圧的メールが来てから1週間経過。
"付き合えって…何処へ?"
気になって返信したのに梨の礫。
"既読スルーかよ"
やきもきしてたら
『お届け物です』
俺の勤務先でない宅配便 (に頼むのがニノらしい) の兄ちゃんが営業スマイルで荷物を届けてくれたのが約束の3日前。
荷主は…二宮和也?…ニノ!?
な、何で?何で?
俺、誕生日だっけ?
……違う違う違う。
頭ブンブン振って。
危うく生まれた日を上書きし直すトコだった。
ジーッと張り付いてる送り状を見つめる。
依頼人は『ニノ』 届け先が『俺』
間違いではない。
品名…衣類……衣類って?
取り敢えず梱包を解いて怖々覗き込む。
中には薄紙に包まれたカジュアルだけど品良くコーディネイトされた上下一式。
コレってさ…
"着て来い"
だよね?
ドレスコード 五月蝿いトコとか?
えーっ…何処?
ヤバい…緊張してきた。
ビクビクしてる俺を現実に引き戻したのはペランと落ちた一枚の紙。
手書きで
『請求書 相葉雅紀サマ』
あ、やっば "ニノ"は "ニノ"だった。