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飴と鞭と甘いワナ

第11章 3匙め


N side

いたたまれなくなった

“盛った猫“とか
“ストーカー“とか

…相葉さんの彼女、だよねあれ言ったの

俺、そんな風に思われたのかよ


正直ムカッとした
したけど、何の連絡もなしにいきなり来てしまったのは事実だし

違う、と否定したところで “なら何故来た“ と言われたら返す言葉がない

そもそも男の俺が “彼女“ からそんな目で見られた事が驚きで

それでなくてもここに来た事実と、何故だか相葉さんが抱き締めてきたのにも頭がついて行ってなかったんだ


だから相葉さんの制止を振り切って逃げた



だって……

心のどこかで、俺を受け入れた相葉さんに対して

“嬉しい“ って感じてしまったのもまた

隠しようのない気持ちだったから



…どうしよう
やっぱり帰るしかないか

行くとこなんかないし、頭冷やしたいし


何となく大通りを歩いていたら
メールの着信が入ってきた

入って来たのは2通

1通めは彼女
『まだ帰ってこないの?アイス食べたいんだけどな』

俺の心配をするわけでもないメール

返信するのも面倒で、次のメールに指を滑らせた

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