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「君、しんじーん？」

初対面のとき、だらしなく間延びした調子で南月は声を掛けてきた。


「あ、はい」

「俺もしんじーん。一ヶ月目。よろしくねー」


ばいばーい、と手のひらをパクパクさせて南月は卓へ消えて行った。


俺が初出勤して、スタッフの前で挨拶した時はお客様と同伴のためいなかったらしい。


「アイツ、入ってすぐナンバー入りしたから調子乗ってんだよ」

後ろから先輩に言われた。


南月の第一印象は《先輩に嫌われてるイケメン》だった。