culb Colors
第3章 番外編*店長
首に回していた手が頬に移り、南月は愛しそうに俺の頬を撫でながらまた唇を重ねる。
(…誰と間違ってるんだよ)
どうにか引き離そうとまた肩を押すけど、段々と頭がボーッとしてくる。
「…な、」
(!)
名前を呼ぼうとしたその隙に、南月は舌を忍び込ませようとする。
頬に触れていた手が今度はスルリと降りてきて、俺の腰に触れる。
(このままじゃ…!)
俺はさっきより力を強めて強引に南月を引き剥がした。
少し荒くなった息を整えて南月を見ると、南月は寝惚けたような虚ろな目で俺を見つめていた。
「…寝ろよ」
俺は一言、それだけ言ってソファに戻った。
ソファに横になるとすぐに、ベッドの方から南月の健やかな寝息が聞こえてきた。
(やっぱ寝惚けただけか。
…たっく、ふざけんなよ)
俺は触れ合った感触を消すように、自分の口をゴシゴシと擦った。