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第3章 番外編*店長
「ゲホッゲホッ…」
眠りについてから間もなく、苦しそうな咳に起こされた。
「ゲホッ…」
「南月?」
「ゲホッゲホッ…」
苦しそうに続く咳に、俺は起き上がって南月の元に寄った。
「南月、大丈夫か?」
「ケホッ…」
「水飲むか?」
「……ちょーだい」
俺は冷蔵庫からミネラルウォーターを持ってきて南月に飲ませ、背中をさすってやった。
「…ありがとー」
暗がりの中で南月はまたフニャッと笑い、そのまま腕を伸ばしてその手を俺の首筋に回し、互いの頭を引き寄せた。
(…え?)
チュッと軽い音を立てて唇が触れ、離れたかと思うとまた塞がれる。
「ちょ、南月…」
肩を押して引き離そうとすると、ごく間近で南月のトロンとした色っぽい目と目が合う。
そうするとまるで金縛りにあったように動けなくなり、呆然としていると南月はまた唇を寄せてくる。