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第3章 番外編*店長
それから、南月はホストを上がった。
No.1に相応しいファイナルだった。
追いかけるように俺も店を辞めようと思ったけど、なんだかんだ引き留められてしまい、少しの間プレイヤーを続けた後、内勤という形で店に残ることにした。
その後、新店の店長を任せれることになり現在に至る。
「陽介くーん、コンビニ行くけど何かいるー?」
「あー、俺も行くー。ちょっと待ってー」
南月はホスト時代に貯めたお金で美容専門学校に行き、今はヘアメイクの仕事をしている。
もちろん、俺の髪は南月が担当。
すぐに南月と一緒に暮らし始めた俺は、すっかり南月の間延びした口調が移ってしまった。
この男は、思うがままに人の心を奪っていく。
こっちの気持ちも知らずに、意図も容易く奪っては、当たり前のような顔で隣に並ぶ。
夜は心地よい温度で闇を深め、抜け出せない森で俺を一人にする。
そこに現れたお前は、俺に光と影を与えて離れない。離れられない。
この毒は、未だ抜けない。
「好きだよ」