虞犯少年
第34章 虞犯少年
私は嵐を心から愛しいと思った。胸が熱くて苦しい。ギューッて締め付けられる。
嵐の手が私の肌を撫で、服を脱がしていく。
そして体中に唇を押し当ててお互いの存在を確かめ合った。
それは今までで一番優しくて愛のある行為。
「やべ…すげー嬉しい…でも全然足りねぇ、もっと俺を好きになれ」
「ぁっ…あ」
「いい?」
「うっ、ん…あぁ!!嵐――」
まるで壊れ物に触れるみたく嵐は私に触る。
一つずつの行為に「気持ちいいか?」と私の反応を求めながら、嵐自身が入ってきた。徐々に激しくなる動き。私の名前を呼ぶ色っぽい声。肌と肌がこすりあう。手を嵐の首に回してぴったりと一つに。
なんで人間はセックスをしたいのか分かった気がする。こんなに近くに感じれる。愛しい人をどこまでも近くに。
溶け合う事は出来ないなら、一瞬でも交わっていたい。目に見えないものほど言葉には出来ない。それでも私は、こうやって嵐に"愛"を伝えていきたい。
「―――やっと手に入れた」
耳元で囁かれた熱っぽい声が染み込んだ。
涙が零れそうになった。
私の為なら嵐はきっと罪をも犯す。
嵐の息苦しい愛からは逃げられない。
狂わせたのは私なら、その責任を取るのも私でしょ?もう嵐無しでこの小さな世界を生きていけない。
心も体も嵐のもの。
これからずっと、一生。
嵐は私だけのもの。
「愛してるよ。嵐…嵐さえいれば私はもう何もいらないから」
その証を首もとに赤く刻みつけた。
消える事のない、永遠の鎖を君に。
…狂わせたのは一体どっちだったのだろう?
虞犯少年
(愛しすぎて、どうにもできない。)