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虞犯少年

第4章 汚くても愛のカタチ




彼は私に嵐と呼ぶよう命令した。この命令は実は初めてじゃない。前から何回も「嵐って呼ばねーなら犯す」ととんでもないことを言われ続けていて、その時は逃れようと「嵐」と呼んだのに結局は犯された。


逆に名前を呼ぶことで彼の中の何かがプチンと外れるのを私は知ってる。だからあまり呼びたくない。っていうか、嫌だ。


だけど今日は今までで一番強制的で私には拒否権がない。



「―…嵐…」



唇を噛み締めて小さく呟く。
嵐は不良のくせに照れたり嬉しがったり、そういう顔を素直に見せる。今だってただ名前を呼んだだけなのに優しい表情になってさっきまでの機嫌の悪さはどこへやら。


キスをされて、はだけた制服を嵐がなおす。


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