虞犯少年
第5章 光無き世界
嵐はいつでもどこでも当たり前のように私の肩を抱きながら歩く。
それは学校でも同じだ。
周りからの視線なんか気にせずに、私の肩を抱いて堂々と歩く。
逆に私が身を縮めるような勢いで顔を下げながら歩くのに。嵐は私の気持ちなんかこれっぽっちも考えてくれない。
周りからどう思われるかとか、どう見られてるかとか、普通なら気にする。
私だけじゃなくてそういう感情は誰にでもあるものだと思う。
けど嵐にはそういう感情が全くと言っていいほどないのだ。
自分の欲求に素直で、それが時に私を困らせることだとしても構わない。
平然としながら嵐はやってしまう。
例えば街中でキスをしてきたり、さっきの行為だって今日が初めてじゃない。
学校でするセックスに何度バレないかとハラハラしたのか…
「帰ったらまたヤるからな」
「………シたばっか」
「あんなんじゃ足りねぇ。お前だって声、我慢して本当は喘ぎたいんじゃねーの?」