虞犯少年
第9章 歪世界
いつものようにバイトが終わって外に出ると嵐が居た。
送り迎えは必ずある。
週3だったバイトを週1にしたのに。それでも嵐は私がバイトをしてることを良く思わない。何度も辞めろと言われた。なんで?なんでここまでするの?私にどうしてほしいの。
分からない。分かりたいとも思わない。
「辞めたくなったか?」
「……」
「働かなくたっていい。お前一人くらい俺がどうにでもしてやれる」
強く掴まれた腕。痛い。離してとは言えなくて、何も答えられなかった私はただ頷くしかなかった。
「お前の存在は俺の為だけにあればいいんだ」
こんな存在意義はいらない。
歪世界
(助けを求めた声は消える。)