テキストサイズ

LIFE

第20章 つかまえたい!〜scene3〜



村上は俺に渡すものがあるから、とメッセージを送っとこうと思ってたのに、もうちょっと…とキリのいいところまで仕事を進めようとしていて没頭していたらしい。

で、帰ってきてた俺を見て慌てて駆け寄ってきたと。

だけどお互い、いつもいたらひと言声をかけて帰るから、そこまで心配してなかったってとこかな。

「二宮さんからだぞ。」

え。

一瞬で踊る胸に自分でも笑える。

それは表情にも現れていたみたいで、

「嬉しそうな顔して。」

「へへへ。」

「なんか二宮さんがお前の机に置かないってことは手渡しの方がいいのかなって俺なりに思ってさぁ。」

「あ、そう?」

「じゃな。ちゃんと渡したぞ。」

「さんきゅ。」

村上は自分の席へと戻っていった。

なんだろ。

明日会議でもあんのかな。

目を通しとけ的な?

封を開けて中身を引っ張ると、どうでもいい過去の報告書と真っ白な紙が出てきた。

その真っ白な紙にはカギがテープで貼られていて。

それを剥がして手のひらに置いて包むように握った。



二宮さん



今から行っていいって意味?

会いたいってこと?


わからないけど俺は思いっきりいい方に取って二宮さんちへ向かった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ