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LIFE

第28章 sugar honey



なにもかも計算違い。


ふざけて、からかってやろうと思ってた。

笑ってやるつもりだったのに。

あれからにののことばかり考えてる。

計算違いはほかにもあって。

にのと会えない。

会えないというか、会ってくれない。

たぶん避けてる。

職場は一緒なのに。

メールしても忙しいとアピってくるだけ。

でもちゃんと返信はしてくるんだ。

スケジュールを確認すると、今日はあと1時間もすれば帰ってくる。


今日こそつかまえてやる


「お疲れ様です。」

帰ってきたにのを見ると、バッチリ目が合った。

俺が近づくより先ににのに声をかける翔ちゃん。

「飲み、行こーぜ!」

ちら、と俺を見たにのは用事があると断ってる。

机に座りパソコンをチェックしてから帰って行った。


ついて行こう


一定の距離を保って尾行する。

最初はすぐに見つかりそうでドキドキしてたけど、楽しくなってきた。

にののことを見てるのがおもしろかった。

本屋に立ち寄って、少し立ち読み。

そこを出るとケーキ屋さんを通り過ぎてから戻ってきた。

Uターンしたからびっくり。

しばらく見てたけど結局買わないでまた歩き出す。

「買わないのかよ。」

ひとりごとを言って俺は再び探偵になる。


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