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LIFE

第28章 sugar honey



スーパーで買い物を終えたあたりでいつ声をかけようかと機会をうかがっていた。

値引きシールの貼られたお惣菜を手にした時点で、このあと家に帰るだけだってわかったし。

使い慣れてると思われるエコバッグを取り出して手際よく入れていく。

その横に並んだ。

「ビールは?」

「!」

そりゃ驚くわ。

入れ終わったエコバッグを手にして、出口へと視線を動かす俺に、

「どうして?なにしてるの?」

と、見上げてくる。

「ビールは買わないの?」

「…ビールはある。」

出口へと足を向けて、次の質問をすることにした。

「用事は?」

ついてくるのは、わかりやすくバツが悪そうに歩みの遅いにの。

「あ、えっと…」

「翔ちゃん、かわいそー。」

にの嘘ついたよ、翔ちゃん。

用事なんかなくて普通に家に帰りますよー。

「だって…
相葉くんも来ると思ったから、」

「なんだよ。俺かよ。来ちゃいけないの?」

「だって…恥ずかしいでしょ。」

うん。確かに。

「それはそうだね。
めちゃくちゃ恥ずかしい。」

でもさ、そんなこといっててもはじまらないじゃん。

「恥ずかしいけど、

…会いたかったよ、俺は。」

ホントのこと。

会いたかったよ、にのに。


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