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LIFE

第3章 まだ恋は始まらない〜出会ってしまったふたり〜

雅紀の後ろ口に手を伸ばす。

ローションを垂らした指で先ずは1本入れてみようと、あてて。

硬く強張ってしまった身体を片手で抱き、大丈夫だよ、と首元へ唇を寄せて、中指で弄るけど拒否するかのように全く進入を許さないソコ。

あ、ムリかもな…

直感的にそう思った。

そう思って雅紀の顔を見る。

ギュッと瞑った目。

可哀相になってきて指の動きを止めて頬にキスをしたら、不思議に思ったのか、ゆっくり目を開けた。

黒目の大きい瞳が俺を見る。

“どうしたの?”

って。

「雅紀?

やめよっか?」

悲しむように翳らせた目で俺を見ると涙が滲んで。

あ…泣くなよ…

胸がキュッと苦しくなって、雅紀の小さい頭を胸元へ抱き寄せた。

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