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LIFE

第3章 まだ恋は始まらない〜出会ってしまったふたり〜

店の前。

じゃんけんぽん!

負けた雅紀は、げっ、と呟いて俺を見たけど、はい、お前ね、って目でかわす。

しかめっ面してドアの前に立って中の雰囲気を伺う。

「いーい?いくよ?」

「はーい。」

ホントに怖がってるのか?ワクワクしてるようにしか見えない雅紀に返事した。

いらっしゃいませー

店の佇まいはこじんまりしてて通が好きそうな趣があって。

店内もそんな広くなく、清潔感はあるけどいい感じに年季が入ってる。

店と同じく年季が入ってる親父さんを見て、

「あの…はじめてなんですけど…いいですか?」

そう雅紀が言うと、

「もちろん、全然気にしないで、中へ。」

と、少し笑いながら常連さんらしき人たちに目配せした。

「一見さんお断りじゃないんでね。」

とイタズラに笑った。

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