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LIFE

第3章 まだ恋は始まらない〜出会ってしまったふたり〜

駅前で雅紀を待つ。

改札を抜けて、俺を見つけて、パッと顔が明るんだ。

はにかみながら、でも嬉しそうな顔で近づいてくる。

昼間見たスーツ姿で現れたから、

「仕事帰り?大丈夫だったの、今日。」

と聞くと、

「うん。全然大丈夫。」

ニコッと笑う。

スーツ姿…かっこいい。

昼間も思ったけど。

ドキッとした。

「食べた?」

「ううん。お腹空いた。」

「この先に前から気になってる立ち飲み屋があるんだけど…
行ってみない?」

「えー。初めてのとこ?
怖くない?」

「お前いるから怖くない。」

ふざけて言うと、それに乗っかってくれる。

「ふふ。
しょーがないな。
じゃあドア開けて、“違う”って思ったら閉めていい?」

「ははっ。いいよ。」

ふたりで、その店へと歩き出した。

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