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第10章 いざ脱出

「待った――!」


 突然、のたまんがホルモン王子の横に近寄ってきた。


「何言ってんですかホルモンさん!! 口と目が入ってなかったら、大木健一朗って名前も候補に入っちゃうでしょ!! それに、さっきその考えは違うって説明したじゃないですか! 私が言いますからもう!!」


 のたまんはわざと声を上げて言った。


 ホルモン王子は面食らったといった表情を見せた。


「え……いや、まだ説明が……」


「もう、忘れないで下さいよぉ〜」と、のたまんはホルモン王子の手から無理矢理受話器を取った。


「えっ!? ちょっと待って……」と、言いかけたその時、ピイコがホルモン王子の肩を叩く。


「はい、ホルモンちゃんはここまで!! 後はまかせましょ!!」


 うろたえるホルモン王子を強引に後ろに下げる。


 のたまんは軽く咳払いをすると、受話器を耳に当てた。


「あ、ごめんなさい。わかりやすく説明するからちゃんと聞いてて下さい」



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