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BOXルーム

第10章 いざ脱出

 そう二人に言い放す、ホルモン王子の目にもやや涙が浮かんでいる。


「ちょっと、出る前にトイレ行ってくる」と、ホルモン王子は顔を俯かせ、トイレに向かった。


 感情が高ぶり、涙を流す所を見られたくなかったのだ。


 ピイコが画面を覗き込むと、純化は巨大な「Z」を連凧のように繋ぎだしながら、爆睡と催眠にかかっていた。


「なんの目的があったんだろ? よくわからないやつ……」


 そう言って、画面に映る純化に向かってピイコは舌を出した。











「あの、ピイコさん」


「どうしたの?」


「私も後でトイレ行きます」


「……はい」




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