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BOXルーム

第10章 いざ脱出

 階段の下にタイ人風な細身の男が、不思議そうに三人を見上げている。


「あ、降りるするですか? 電気つけるしなきゃ、危ないするしますよ」


 男は変な日本語で下から話しかけてきた。


「……え?」


 突然のことばかりで三人は面食らっていた。


 男はスタスタと上がって行き、三人の横を「失礼するします」と、通り過ぎる。


 男はそのまま三人がいた部屋に入って行った。


「なにあれ?」


 ピイコが怪訝して言った。のたまんもホルモン王子も同様に思っていた。


「追い掛けてみますか?」と、ホルモン王子が言うと、のたまんは不安そうな表情を見せる。


「やめましょう……怖いですよ」


「一応、聞いてみようよ」


 ホルモン王子はそう言うと、階段を上がる。引き戸は開かれ、部屋の壁も上がったままだ。


 男は中にいてテーブルを片付けていた。



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