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未成熟ゲーム

第1章 case 桜


登校日です、登校日ですよ。
私、桜は小学生になったんです。

もうおままごとじゃなくて
本当の勉強ができる。
大人への第一歩なんです。

登校班で学校に行きます。
みんなで仲良くあるくのです。

でも
今日はとっても暑いから
汗がダラダラと身体をつたいます。

ヌルッとした腕は
何だか気持ち悪いです。

でもお兄ちゃんが言ってました。

汗だくになっている方が
密着感があっていい、そうです。
何の事なのかはよくわかりません。

私は考えます。

この暑い中毎日登校したら
きっと痩せていくことでしょう。

でも多分
大切な何かを失っていく。
それは汗の形をしていても
きっと必要なものなのです。

「こんにちは」

その人はよく見かける
近所のお兄さんでした。

半袖に短パンで
いつもタバコを吸いながら
この辺を歩いています。

「こんにちは」

みんなで挨拶をしました。
私は登校班の一番後ろなので
一番最後に挨拶をしました。

お兄さんはニッコリ笑って
そしていきなり私の手を掴みました。

「何ですか」

「いい肌だね」

気持ち悪さを、感じました。
登校班がどんどん先へ進みます。

「待って」と叫ぼうとしたとき
口まで塞がれました。

大きな手でした。

「行こうか、桜ちゃん。楽しいところへ」
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