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舞子のえっちな日記

第4章 五十嵐 冬伍



周りをよく見ると
もう会社周辺だ。

城島さんとランチに行っただけではなく、
手を繋ぎながら
午後のオフィスに帰るところだった。

よく考えたら手を解かれて
当たり前。


こんなところ見られたら
なにを言われるかわからないし、

なにより城島さんが
私と噂になるのが嫌だろうから……。


解かれた手を
片方の手でぎゅっと握って
うつむいた。



「…なに?

もっと繋いでたかった?」



「えっ……」


驚いて顔を上げると
私の好きな笑顔とはまた別の

少し意地悪そうな笑みを浮かべていた。


城島さんの手がスッと伸びてきて
長い前髪を耳にかけられる。


「なんて、ね。
すいません、戻りましょうか」


そう言ってまた背を向けた。



トクン…トクン……


ど、どうしよう、

顔絶対あかいよね…?


城島さんに
そんなこと言われたら、私……



いつも通りのオフィス。
いつも通りの仕事。

今日も定時まで働けば
それで仕事はおしまい。

でも

城島さんと私のあいだは

明らかに縮まっていることを感じた。


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