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ゲーム~姉の男を寝盗る~

第11章 進藤拓哉の事情①

「李奈……泣くなよ……」
「だって……止まらないよ……」

俺なんかの為に泣いてほしくない。

「好きなのは分かるけど、どうにも
ならないこともあるだろ。俺には……」

言いかけてやめた。

俺には瑞穂が居る。

それを口にしてしまうのは
今の李奈にはあまりにも酷である。

「いつもお姉ちゃんばっかり……
どうして私じゃダメなの?教えてよ……」

李奈がようやく顔を上げた。

子供のような泣き顔の奥に
やはり女の表情があった。

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