Perfect Romance
第2章 忘れられない
「はぁぁーっ」
これで何回目の溜め息だろう
気が付けば脳裏に浮かぶ、まるで柴犬の
"凛々しいけど可愛らしい " をそのまま人間にしたようなあの人
はにかんだような笑顔と、時々意味もなく唇を尖らせる仕草が可愛くて仕方なかった
初めましての挨拶で握った手は
やたら柔らかくて
出来るなら離したくないとさえ思ってしまった
そうなんだよ
俺は完全に、にのに一目惚れしてたんだ
元々俺の恋愛対象に、性別は関係ない
好きになったら、それが男でも女でも気にしなかった
まあ、それでも女の子に向く方が多いし
同性の場合は相手の事を考えて、物凄く慎重を要したけど
久しぶりに…いや、初めて心を射抜かれた
顔を見た瞬間、雷に打たれたような衝撃を受けた
…この人を手に入れたいと思った
「はぁぁぁ…っ」
「うるせぇよ!」
また、溜め息が吐いて出た時
隣からファイルで頭を叩かれた
「大ちゃん酷い…」
叩かれた頭を抑えて、恨めしげに隣の大ちゃんを見ると
「溜め息ばっかついてんじゃねぇよ!
…どうしたんだよ、お前」
怒ってるんじゃなくて、心配顔の大ちゃんの顔が
そこにあった
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