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キラキラ

第34章 バースト9


「そいつら、なんて言ってた?」

「……翔さんがいろんな人に告白されてるって」

「…………」

「でもみんな玉砕してるって」


かずがいったん言葉を切り、俺を見上げる。
ほんと?とでも言いたげな視線に、俺は軽く頷いた。


まあ……それは、嘘じゃないな。


最近は落ちついてきたけど、入学以来、わりとハイペースで呼び出しされたり、待ち伏せされたりして、女子学生に好意を告げられることが多かった。
思わせぶりなことはしたくないから、すべてバッサリ切り捨ててきたけど。


………それがそんなに悪い噂になってんのか?


俺は、それで?と、その先を言いよどんでるようなかずを促した。


「……その子達がね……あまりに告白を断るから、翔さんの恋愛対象は男かもって」

「うん」

「それを、面白おかしく騒いでた」

「……そのときの潤は?」

「…………固まってた」

「だろうな」


俺は苦笑いして、そんな潤の表情を想像する。
少し泣きそうでどうしたらいいか分からない顔。


……まあ、今さらといえば今さらだ。
男同士の恋愛というのは、どれだけ世間の理解を得られるのか全くわらかない。
でも、このことに関しては、これまでにも何度も話はしてきてることだから、こんなことで、跳ぶことは……



「翔さん……?そっちじゃないよ」

「あ?」

「男同士で騒いでた方じゃなくて。潤くんが気にしてるのは、翔さんがモテてるとこだよ……?」

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