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キラキラ

第34章 バースト9

ふと、それなら潤のとった行動に説明がつく、と思った。


かずたちと別れてから、何かが彼の身に起こり、チカラのコントロールに失敗したとしたら。


……ありえるな。


俺は、舌打ちしたい思いだった。

潤の場合、程度の差はあれど、コントロールを失ってチカラが暴発してしまうようなことが起きると、なかなかすぐにもう一度跳ぶことは難しい。

それに、最悪の話、跳んでしまった先で動けなくなることだってある。

だから、大学に戻ってこれなかったんじゃないか……?


思いつきであったものの、考えれば考えるほど、真実味を増してきた。


もし、その予想があっているとするならば……跳んだ原因が気になるのだが。



「……なんかで失敗して、跳んだんじゃないかな……潤くん」


だって、翔さんと会うのすごく楽しみにしてたんだよ……、と、呟くかず。

態度の急変に納得いかないのは、俺と同意見みたいだ。

俺は、そうだな、と頷いた。


「……俺もそれ、考えてた」

「あのね……今、思い出したんだけど。翔さんの店並んでるとき、潤くんちょっとだけ不安定になりかけた瞬間があったんだよね……」

「……どういうことだ?」

「……翔さんの、噂話してる女子グループが、たまたま、俺らの前にいて」

「噂話?」


俺は顔をしかめる。
後ろ暗いことなんか何もないから怖くないが……やはり気持ちのいいものではない。

噂なんて、99パーセントガセネタだけど、真実がほんの少し混じってたりすると、厄介だからだ。

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