
キラキラ
第35章 屋烏之愛
はぁはぁ、と、興奮した息を吐いてたそいつがニヤリと舌なめずりをしたのがみえて。
危険を感じて、背筋が凍った。
芝の匂いと、そいつの煙草臭い息に、呼吸がとまる。
押し付けられた背中の地面の感覚が妙にリアルだ。
……ヤバイ、なんとかしないと。
必死で暴れていたら、
「誰かきたら面倒だし、時間もないし、するならするでさっさとやって」
那須がとんでもないことを言った。
は?冗談だろ?!
学校だろ!ここは!
「やっ……」
「こら那須!すぐにやめさせろ!」
櫻井がまた怒鳴った。
「では、櫻井さん俺のものになってくれるんですね?」
「は?バカか!そんな強引なことしたって、意味ねーだろうがよっ」
二人の言い合いを背に、その気持ち悪く興奮したそいつの汗ばんだ指が、めくられた体操服の隙間に入り。
俺の素肌をすべり、乳首に触れた。
そこをぎゅっ、ぎゅっと押されて、ぞくりと悪寒がはしる。
「やだっ……やだぁ!」
そのままベロリと舐められた。
マジで吐きそうだ。
泣くものかと、必死で我慢してたのに、涙がでそうになった。
そのときだった。
ドスっという、砂袋をおとしたような鈍い音とともに、俺の体を押さえつけてた力がなくなった。
