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キラキラ

第37章 寵愛一身


いろんな意味でめんどくさい。

それには俺も同感で、思わず深く頷いたら、松本がチラリと俺を見た。
その何か言いたげな感じに、?と、目で応答したら、松本は、眉をひそめた。


「……あいつの言ってたのは本当か」

「言ってたこと……?」

「キス」


…………っ



俺のこわばった顔で、松本は再び確信したみたいで、はぁ……と、ため息をついた。


「……おまえが心変わりしたとは思ってないけど。状況だけ教えてくれないか」

「…………」

「昨日、待ち合わせ場所にいなかったのは、あいつのせいなんだな?」

「……はい」


俺は、観念して、ゴウに半ば脅されるように店から連れ出され、公園まで行ったことや、准一に告白されたことを説明した。

キスの件も、誤解されたくなかったから、全くの不意打ちであったことなどをありのままに伝えた。

それらを黙って全部聞いてから、松本は、くしゃっと髪をかきあげ、深い深いため息をついた。

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