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キラキラ

第37章 寵愛一身



……はぁ……はぁ……


弾む息を整える。
急速に目の前がはっきりと開けた。


……一回出してしまうと、ちょっと冷静になるものだ。


喘ぎながら、俺は、覆い被さる松本を見上げた。

少し紅潮した頬と、額に浮かぶ汗が、いつもの余裕綽々な彼とは違い、とても新鮮にみえる。

松本は、俺と目をあわせ、ふっと笑んだ。


「カズ……」

「……は……い」

「可愛い…すごく」

「…………」


言って、慈しむようにキスをされる。

俺は、応えるように松本の広い背中に両手をまわした。


照れるけど、それ以上になんだか幸せだった。


しばらくお互いの唇の柔らかさを楽しんでから、体をおこした松本は、俺の胸から腹にかけてとんだ飛沫を、ティッシュで綺麗に拭いてくれて。

お互い裸で今更だが、なんだかその生々しさが恥ずかしくて、身を縮こまらせる。

やがて、松本はベッドの下に手を伸ばし、香水でも入ってそうな瓶を取り出した。


中には透明の液体。


「……カズ……いまから、準備するから」

「…………」

「リラックスしてて」


俺は、こくりと頷いた。

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