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キラキラ

第38章 バースト11


「バスケとかどう?」

「却下」

「テニス」

「……無理だな」

「バッティングセンター」

「んー……」


潤が提案してくれるものを、片端から断っていってると、潤は持ってる案内図を見つめながら、困ったようなうなり声をあげた。


「やることないじゃん~ローラースケートは?」

「浮いていいなら」

「ダメに決まってんじゃん(笑)」


くすくす笑ってる潤の手から、どれ?と、案内図を取り上げる。


バブルサッカー……ピッチング……


どれもこれもカッコ悪い結果をうむ自分しか想像できない。
そもそもここに来たこと自体が、俺は間違いだったんじゃないかと思ってるうちに、俺にぴったりな穏やかな競技をみつけた。

これなら、なんとか格好がつきそうだ。
大学の連中と何回かやったことがある。


「……ダーツがいい」

「……そんなのあった?……あ、ほんとだ」


カルピスのボトルに口をつけたまま、俺の手元をのぞきこんだ潤が、へぇ……と、頷いた。


「いいよ、やろ」

「おう」


やっと、決まった。

よかった、と、アイスコーヒーを飲み干して、立ち上がりかけたとき。


…………?


なんだか、誰かに見られてる気がして周りを見渡した。

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