
キラキラ
第38章 バースト11
「……どうしたの?」
潤が怪訝そうに、一緒にあたりをキョロキョロと見渡す。
「……いや」
気のせいか?
なんだか視線を感じたような気がしたけれど。
ボーリング場に併設されてる小さな休憩スペースは、俺たちの他に誰もいない。
あとは、ボーリングを楽しんでるグループがいくつかと店員。
「……なんでもない」
「……そ?んじゃ行こ」
安心したように笑った潤がカルピスのボトルをゴミ箱に放り投げた。
俺も、もう一度あたりを見渡して、アイスコーヒーのボトルを捨てた。
気のせい……か。
ダーツができるスペースでは、先客に一グループいたが、比較的すいていた。
「俺、ダーツやったことない」
潤が、興味津々でボードを眺めて、ダーツを手にとる。
俺も、大学の仲間と行ったくらいだから決してくわしいわけじゃないが、スコアを積み重ねていくゲームではボーリングとかわらないし、こういう静かなプレイの方が性にあう。
「投げりゃいいんだ」
笑って、手本をみせた。
だが、弧を描いてとんでいったダーツは、ものの見事にボードを外れていった。
「…………」
