テキストサイズ

キラキラ

第38章 バースト11


何を話そうとしてるのだろう。

増田は言いにくそうにしながら、唇を何度も舐めてる。
俺は、じっと、黙っていたけど、ちょっとだけ鎌をかけてみた。


「……兄貴のことか?」

「…………うん」

「兄貴が何かしたのか」

「……そうじゃなくて」


増田は、かぶりを振り、否定する。
そして、なんて言ったらいいのか……、と呟いた。

……一体なんなんだ。
おまえが、智兄を監禁してるんじゃないだろうな。

少しだけイラついてきた。


「……なんだよ」


俺の言葉に刺々しさが混じってきたのを感じたのだろう。
増田は、あわてて、顔をあげた。
そして、取り繕うように話し始めた。


「……えっと……その……変なこときいていい?」

「だから、何」


なんだよ。


じろりと睨むと、増田は、小さな目を不安そうにしばたたかせて。


「……お兄さんって……超能力者?」


と、言った。



俺は息がとまった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ