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キラキラ

第38章 バースト11


浮いてるおかげで、鉄の階段をくだっていても足音はしない。

たどりついた扉の前で、俺は、再び潤と目をあわせる。

頷きあって……チカラでそっと開けた。

薄暗い空間に、廊下が一本。
目をこらせば、一番奥がぼんやり光ってる。


……いよいよ本丸か。


俺は、ごくっと息をのみ、潤と静かに近づいた。
潤が俺のジャンパーをぎゅっと握る。

……確かに何かの気配がする。

ぼんやりとした光の正体は、少し開いた扉から漏れる光のようだ。


引き戸になっているそれを、慎重にもう少し開き、二人でその隙間から中をのぞく。


「…………っ」


瞬間、潤が両手で自分の口を覆った。
俺も、あやうく、声をあげそうになった。

部屋の中は医療用なのかなんなのか、よくわからない機械がたくさん積み上げてある。
白衣を来たやつや、スーツのやつがうろうろしているなか、透明のパーテーションの向こうにベッドがある。
そこで、たくさんのコードや機器につながれ、死んだように目を閉じているのは、まぎれもなく。


智兄…………!!

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