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キラキラ

第38章 バースト11


階段をさがしながら、ひとまず一階をみてまわる。


…………ここは……?


研修施設というような言葉がぴったりの建物だった。

薄暗い館内には、食堂らしきものや、講義をうけるための研修室のようなもの、さらには、がらんとした和室などがある。

廊下の先の非常灯が、辺りをぼんやりと緑にてらす。
ほんとにこの建物に人がいるのか、というほど、どこもかしこも人気がない。

押し潰されそうな、しんとした空間に、俺と潤の呼吸音だけが響いた。


……どこだ。


上につづく階段はあるが、地下に続くものはない。

靴はあるのに、……その持ち主たちがどこにいるのかわからない。



「……あそこの扉は?」


潤が非常灯の下の扉を指差した。


「…………あれは……外にでるものじゃないのか」


建物の外にでられるものだと思っていたが……チカラでそっと押し開ける。


すると。



…………ここか。


鉄骨むき出しの階段が上下に設置してあり、地下に行けるようになってる。

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