テキストサイズ

キラキラ

第38章 バースト11


はっと我にかえった。


潤が至近距離で俺を見つめてる。
大きな瞳で訴えかけるように、じっと。


大丈夫?


口がそう動いたのをみた。


しっかりして


「…………」


俺が、ギクシャクと頷くと、潤が俺の肩をそっと撫でた。
その温かさに、頭の芯が冷静になってゆく。
ゆっくりと息を吸った。


……そうだ。ここで怒りにまかせて暴走なんてしたら、悪い結果しかよばない。
智兄の体が向こうにあるうちは、落ち着いて動かなくちゃ……。

ふー……と、息を吐く。


チカラを行使すれば、こいつらなんか簡単に始末できる。
ただ、智兄をどうするか。
全ての機器を停止させて、連れ出すにしても、どんな薬を使われてるかわからない。
うまく目覚めなかったらそれこそ最悪だ。

……誰か一人拘束して、吐かせるか。

俺は、一番弱そうなやつを探すため、もう一度部屋をのぞきこんだ。



いち……に……さん……し……

五人。



(あれ……)


数をかぞえて、ふと疑問に思う。
上の玄関には靴は六足あったはず……
てことは、ここに六人いないとおかしくないか?


瞬間、隣にいたはずの潤がその場に崩れ落ちた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ