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キラキラ

第39章 バースト12


泣き落としってやつか?

若干ひいてると、カホは泣きそうな顔で、訴える。


「そもそも嘘をついてらしたあなたがいけないです。この気持ちどうしたらいいんですか」


「…………ごめんなさい」



そこをつかれると、何も言えない。
中途半端な俺の態度が、全て悪いのはわかってる。


「お付き合いしてる人がいます、って最初に言ってくださってれば、こんなに好きになる前にブレーキきいたのに」


……会って2回目だぞ。
そんなに好きになるもんか。


心で毒づいてみるが、いかんせん嘘をついたのは事実であるから、どうにも強くでれない。


そうこうしてるうちに、ナビゲーションが、目的地到着のお知らせをしてきた。
俺は、減速しながら、辺りに目を走らせる。


「………ご自宅はこのへんですか」

「………翔くん、このことお父様に言いますよ」


カホは俺の問いには答えず、別角度からごねてきた。


………めんどくせぇ。

俺は、静かに減速して、車を路肩に寄せる。



「…………脅しですか」

「付き合ってる方にあわせてください」

「それはできません」

「なぜ?じゃあ、それも嘘?付き合ってる人なんていないんでしょ」

「………違います」


堂々巡りだ。

久しぶりに悪いタイプに引っかかったかもしれない。

俺は嘆息した。

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