
キラキラ
第39章 バースト12
カホは、毅然と俺をみつめてくる。
俺の非をどうしても認めたくないんだ。
自分とつきあいたくないから、俺があえて嘘をついていた、という図式にしようとしてるのが、ありありとわかる。
……天然もここまでくるとタチが悪い。
俺は、カホの視線から逃れるように、頭を下げた。
「………嘘はついていたのは謝ります。ですが、俺に大切な人がいるというのは事実です」
「じゃあ、あわせて」
「できません」
「どうしてですか」
「……どうしても、です」
潤をこんなことに巻き込みたくない。
変に、あいつを傷つける事態になっても嫌だ。
俺は頑なに拒否した。
信じられないというように、何回かマバタキをしたカホは、リップでキラキラした唇をぎゅっと噛んだ。
そうして、シートベルトをはずす。
その行動に、
………帰ってくれるのか。
俺が内心ホッとしていたら、カホは俺を見て、ニコリと微笑んだ。
「またご連絡します」
「えっ」
「ありがとうございました」
言って、カホはするりと外に出た。
そうしてこちらに、手を振って歩いてゆく。
追いかける気力もなく、俺はシートに体を沈めた。
まずいな…
