
キラキラ
第39章 バースト12
本当なのか、嘘なのか。
俺にくっついたまま、痛……と動かない彼女を、あざといと感じる俺は、容赦なく突き放したい。
だが、痛みというのは、第三者が視覚で確認できるものでもないから、判断つきかねる。
本当に痛めたのならば、非常に不本意だが、そのままにしておくわけにもいくまい。
…………面倒だな。
「……歩けますか」
仕方なく聞いてやると、
「はい、ごめんなさい。大丈…っ痛い」
と、言って。
またよろける彼女を抱きとめた。
俺は内心大きなため息をついていた。
どこまでが計算なのか、もうわかんねぇわ……。
とりあえず、タクシーで帰らせるか。
大金持ちの令嬢なら、はした金だろう。
俺は、自分の肩につかまらせて、路肩の植え込みに彼女を座らせた。
「タクシー呼んでくるんで、ここで待っててください」
「……すみません」
さすがのカホもしょんぼりしている。
