
キラキラ
第39章 バースト12
もう少しゆっくりしていけ、と、翔に言われて、俺は素直に頷いた。
バイト直後の久しぶりのチカラの暴走に疲れきっていたのもあるし。
カホの出現に、なんだか気分がとても不安定だったし。
きっと、家で1人でいたら気が滅入る。
翔は、元気の無い俺をみて、
「………うまいココア作ってやるよ」
糖分を取らせようとしてくれてるのか、キッチンに入っていった。
カチャカチャとカップを用意する音を聞きながら、俺はぼんやり宙をみつめる。
あの子は、俺から、翔を奪おうとしてるってことかな?
わざわざ言うってことは、そういうことだよね?
…………やなやつ。
すると、黙って反対側のソファに座ってたかずが、そっとにじり寄ってきて、俺の頭元に肘をついた。
「………?」
見上げれば、かずは口をへの字にしてる。
どうしたの?という顔をしてみせたら。
「潤くん負けちゃダメだからね」
「…………え?」
「翔さんの腕、ちゃんと捕まえておいて?」
かずは、ぷくっと頬を膨らませた。
