
キラキラ
第39章 バースト12
その仕草が、なんだか可愛らしくみえて、俺はクスッと笑う。
俺にとっては、かずなんてただの鬼の家庭教師なんだけど。
………雅紀が、かずを可愛い可愛いって連呼するの分かる気がするな。
そんなことを思いながら、うん、と頷いた。
かずの気遣いに、滅入りそうな心が温まる。
「…………うん。わかってる」
「そーいうタイプって、意外としつこいからね」
「………うん」
「心配だなぁ………翔さん、結構脇が甘いとこあるから」
「ねぇわ、ばか」
かずの呟きにかぶせるように、翔が苦笑して割り込んできた。
トレーにのせた、三つのマグカップから、ココアの甘い香りが漂ってくる。
「俺は、潤だけだ。カホにもキッパリ言ってある。俺に何かあるなんて、万に一つも有り得ねぇよ………起きれるか」
「あ、………りがと」
翔の手をかりてゆっくりと起き上がった。
「大丈夫か?」
「うん……」
眩暈は残るものの、ソファに座れてホッとする。
前に大暴走起こしたときは、体が動かなかったから。
かずに、はい、と渡されたマグカップを慎重に口に運ぶ。
