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キラキラ

第39章 バースト12


「……私は魅力はないですか?」

「……………」



ふいに投げられた言葉に、反射的にはい、と、喉元まで出かかったが、カホの真剣な顔をみて、頑張って飲み込んだ。

潤に絡んでくるなら容赦しないけど、この子も、自分の母親が巻き込んでいるということを思い出す。

俺は意識して普通の顔をつくった。


「別に魅力がない人とは思ってません。でも、俺には大切な人がいるから、あなたは、それ以上の人にはならないというだけだ」


俺の言葉に、カホはグラスを置きうつむいた。

そして、泣いてるのか?と、思うほどの沈黙の末に、彼女は顔を上げて、


「………例えば、1度だけ私とデートしてくださいといったらしてくれますか」


と言った。



………今度はなんだ?


カホの狙いが分からない。



「………意味がわかりかねますが」

「そのままです。私は翔くんが好き。だから思い出をひとつくらいくれたっていいでしょ」


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