
キラキラ
第39章 バースト12
…………デート?
「……何言ってんの」
そんなわけないじゃないか。
俺は、カホに向き直り、まじまじと彼女の目を見つめた。
デタラメ言って、俺を惑わそうという魂胆だってのは分かってるぞ、という脅しをこめて怖い顔を作る。
ところがそんなことは気にもとめてないようなカホは、うふっと笑って、おもむろにハンドバッグから携帯を出した。
そして、画面を少し操作したかと思うと、これこれ、というように、俺にさしだす。
それは、録音した音声の再生画面。
………は?
不審に思って彼女を見たら、聞いて?と言う。
しぶしぶ耳を近づければ。
『ねぇ…翔くん、さっきのこと考えてくれた?』
『デートをするやつか』
『そう』
『………1回だけだぞ』
『ほんとー!嬉しい!!』
…………は?
信じられないやりとりが聞こえてきた。
男女の声は、あきらかに、この人と………翔?
「ね。いいでしょう」
カホは嬉しそうに携帯をしまいながら微笑んだ。
