
キラキラ
第39章 バースト12
Jun
バイトを終えて、外にでると、こないだと同じ位置にあの人が立っていて、ギクリとする。
マジか
今度はなんだというんだ。
ニコリと笑われた気がしたけど、背中にぞぞっと、虫唾が走った。
あんたのせいで俺は跳びかけたんだけど。
…………無視だ、無視。
俺は警戒度をMAXまであげ、彼女の前を足早に通り抜けるが。
「松本くん」
と、呼び止める声がする。
うるせー………
立ち止まりたくない俺は、まっすぐ前をむいて歩き続ける。
ところが、
「ねぇ、いいこと教えてあげる」
ヒールの音をカツカツならしながら、彼女はひたすらついてくる。
この場合、この人のいいことなんて、俺にとってのいいことのわけはないんだ。
聞いちゃいけない、と思いながら、返事をしないでいたら、
「あのね、私ね、今度翔くんとデートするの」
ありえないことを言われて、思わず立ち止まった。
