
キラキラ
第39章 バースト12
翔の性格上、何か不測の事態があったとき、俺が悲しんだり心配するだろうなと思うことは、基本俺に知らせないことは、分かってる。
俺に分からないように解決するか、ギリギリまで黙ってるんだ。
………でもさ。
これはなくない?
ばれてんじゃん。完全に。
「な、これって、どう思う」
「…………うーん……」
俺の剣幕に、雅紀は、困ったように眉をさげた。
1人でいたら、どんどん気分がおちていきそうで……かといって、大野家の人たちには会いたくなかったから、俺が連絡したのは、雅紀だった。
普段ならやり過ごせるであろうこの気持ちが、今回はどうにも処理できない。
多分、カホが翔の見合い相手だというのが、ずっと引っかかってるのだろう。
俺は、部活帰りだという雅紀をファーストフードに呼び出した。
だが、腹も減ってるだろうから、とりあえずは、なんか食べると思ったのに、やってきた雅紀は何も食べずに、俺の前に座った。
そして、開口1番に、
「……どうしたの?」
と、気づかってくれた。
「…………………あのさ」
俺は、その優しい瞳に、それまで我慢してた思いを、言える範囲で全部吐き出したのだ。
