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キラキラ

第39章 バースト12


翔が、見たこともないような情けない顔で突っ立ってるのを、じっと見つめた。

翔の電話も、かずのテレパスも、俺があまりに無視し続けるから、やむなく空を飛んできたのだろう。
なるべく人目につかない夜を待って。


翔の顔なんてみたくないという反発する思いと、会いにきてくれてるという嬉しさがまじりあい、とても複雑な気分だ。


「…………」

「…………」


しばらく無言で見つめあってると、足音を忍ばせながらゆっくり近づいてきた翔が、俺のベッドの横にしゃがみこんだ。


「………潤」

「……………」

「すまなかった」

「……………」


何に?


謝ってる意味を言えよ。
何か理由があるなら、弁明しろよ。


思いは、こんこんと溢れるけど、ひとたびそれらを口にすると、本気で泣いてしまいそうで、カッコ悪くてできなくて。

俺は、唇をかんでひたすらに黙っていた。

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