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sugar-holic2

第12章 その為の計画

「成る程、ね」

え?

「アンタのおかしな行動の理由が分かった」

おかしな?

「気に入らなかった?」

額を押さえたままだから表情が見えなくて。

ぼそりと呟くその声が、思っていたより低かった。

「そうだな」

肯定されて、いたたまれなくなる。

そんなに不快に思ってたの…?

無理矢理付き合わせた事に申し訳なさを感じていると、倉田くんが前髪をかき上げた。

「俺が言った『ご褒美』 ってさ」

私を見るその顔は、片方だけ口角が上がっていて…

「こういうのと違うんだけど」

え!?

言葉だけなら完全否定な文句。

なのに、表情が。

「ま、いいか」

指先で私の頬に触れると、そのまま指を滑らせて、顎先をくいっと上げられた。

顎を固定されて、間近で見つめられて。

いつもの倉田くんの行動。

いつもの、人を小馬鹿にしてるような表情。

なのに…心臓が勝手に踊り出す。

頬が熱くなるのを自覚すると、倉田くんが小さく笑った。

「アンタが俺を癒したいって言うんなら、甘んじて受け入れるさ」

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