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sugar-holic2

第12章 その為の計画

『何だ。この流れなら、背中流そうかとか言うんじゃないの?』

そういうのもアリかもしれないけど…

せっかくここに来たんだし。

倉田くんの望みなら、叶えてあげたい。

…だけど。

うめき声をあげて机に突っ伏すと、おでこを机に当て付けた。

意識するから恥ずかしいんだよ。

背中洗ってあげるだけ。

うん。それなら出来る!

ひとつ息を吐くと、立ち上がってお風呂場に向かった。

洗面所とお風呂を隔てている扉をノックする。

「ねぇ、倉田くん」

「は!?」

「背中、流そっか?」

少し、間があいた。

え?…聞こえなかった?

もう一度言おうと口を開くと

「開けていいですよ」

さらりと言われて、その口調にこっちがドキッとする。

倉田くんの裸なんて、何度も見てるし。

どうって事もない…筈。

「入るね」

断りを入れてから、扉を開いた。

少し肌寒い風が頬を撫でる。

湯けむりの向こうには、湯槽に浸かった倉田くんの背中が見えた。

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