テキストサイズ

sugar-holic2

第18章 だから、俺は…《倉田side》

あぁ、私より仕事優先で!!って話な。

「そうだな。相変わらずだ」

薄く笑いをこぼすと、富永は感心したように大きく息を吐き、頭の後ろで手を組んだ。

「いいよな~。余裕あるやつは」

そんな富永を見て、苦笑いを浮かべる。

ただでさえ年下ってだけでも分が悪いのに。

上司で、役職付きで…将来の女性初幹部候補。

余裕なんかあるわけがない。

ふと見回せば、梢が営業部のメンバーと一緒にいるのが見えた。

「悪い、ちょっと顔出してくる」

富永に指で示して断りを入れると、梢たちをみてあぁと頷いた。

「営業部の発表、次だもんな。頑張れよ」

「サンキュ」

自分が発表するわけでもないのに、そんなやり取りをして席を立った。

梢たちが座ってるテーブルに近付く。

そこでは比呂子さんたち営業部の女性陣が、女子会のノリで話を繰り広げていた。

「お疲れ様です」

会話が聞こえない程度の距離まで近付き声をかけると、全員が俺を向き、挨拶を返してきた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ