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sugar-holic2

第18章 だから、俺は…《倉田side》

梢が俺を見て目を和らげた。

「あ、倉田くん。お疲れ様」

「次ですけど、大丈夫です?」

みんなの前だから、いつもと同じように少しからかい気味に声をかける。

すると比呂子さんが感心したように

「それが全然緊張してないし。梢ちゃん、さすがだよね」

肩を叩かれて、梢はくすっと笑いをこぼすと

「書類は出来てるし、決められた事を話すだけだからね」

手元のファイルを指先で突っついた。

「余裕ですね」

俺の言葉に、杵築優菜が

「やっぱすごいなぁ…」

ボソッと呟き、その横で木下と水沢が話している。

「えー、私は無理だわ」

「千秋は平気でしょ?人前でも緊張しないし」

「決められた事を話すのが無理だわ」

確かに。

皆も同じように思ったのか、所々で笑い声が立った。

すると、総務部の野尻部長が

「もうそろそろ時間なのでホールに戻ってください」

ラウンジに向かって声を掛けていった。

「さぁ、じゃあ頑張るね」

梢が言うと、皆が励ましを送りながらホールに戻っていった。

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