テキストサイズ

sugar-holic2

第1章 プロジェクト成功

「あ!!ひどーい!!笑わないで下さい!」

矢口さんが口を尖らせて抗議する。

「それにしても。久保田くん、よく頑張ったよね」

「チーフ!!ありがとうございます!!」

久保田くんがきらきらした笑顔でビールをこっちに向けてきた。

反射的にグラスを手に取り、お酌してもらいながら

「ちょっと。チーフはそっちでしょ?久保田チーフ」

茶化すように明るく囃し立てた。

私が抜けた後、久保田くんが昇格してチーフになったって聞いた。

それで体壊した、って話も。

がんばり屋の久保田くんだから、きっと無理したんだろうな…。

「久保田さん、そうですよ。チーフじゃなくて、今は課長ですよ?」

私の言葉を受けて、矢口さんが話すと

「俺にとってはチーフの方が身近なの!!俺のチーフだったんだから!!」

ふて腐れたように矢口さんに噛みついた。

そんな二人を笑って見てると

「身近?俺の?…へぇ…」

また隣から揶揄するような冷めた声が聞こえてきた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ